話題の液晶付きマイコンボードM5Stack。開発環境として、Arduino IDEとM5Cloudの二種類の環境が利用できる。今回はブラウザだけで利用できるクラウド開発環境「M5Cloud」のセットアップ方法をご紹介したい。
M5Stackとは?
M5StackはESP32搭載のマイコンボード。液晶、スピーカー、バッテリー、ボタン、microSDカードスロットが5cm角のコンパクトな筐体に詰め込まれている。色々な拡張ボードが売られているので、Stackしてどんどん拡張が可能だ。
クラウドに画像をアップして、シンプルなコードを書くだけで簡単に動かせる。
M5Stackでいらすとやさんをスロットにしてみた。3つ並べて連動させたりすると面白いかも。#M5Stack pic.twitter.com/9gnbm9sDAd
— TOKYO FLIP-FLOP (@tokyo_ff) October 6, 2018
では早速、環境構築手順を説明していこう。ちなみに公式サイトの
にはArduino IDEの説明しか載っていない。
詳しく見たい人はGitHubのこちらのページを確認頂きたい。
ドライバを入れる
M5StackをPCに認識させるためには、CP210x USB to UART Bridge VCP Driversをインストールする必要がある。こちらのサイトからダウンロードしよう。
なお今回はWindows10環境でセットアップを実施した。他OSの方は公式ドキュメントも参考頂きたい。公式ドキュメントには、Windows10用のユニバーサルドライバを使うなと書かれているため、Windows 7/8/8.1 (v6.7.6)用をダウンロードした。
ファームウェアを書き込む
ファームウェアのダウンロード
M5Stackは、Arduino開発環境用のファームウェアが書き込まれている。M5Cloudを使うには専用のファームウェアに書き換える必要があるため、m5cloud-20180516-v0.4.0.binを下記サイトからダウンロードする。
ファームウェア書き込みツールを使う
Windowsの場合、Espressif Flash Download Toolsが使えるので、下記からダウンロードする。
Espressif Flash Download Toolsを起動すると下記の画面が出るので、ESP32 DownloadToolを選択しよう。
M5StackをPCに繋いだら、デバイスマネージャーからどのポートに接続されているかを確認する。この場合はCOM4。
Espressif Flash Download Toolsで
- 「COM」が先程確認したポート(COM4)になっていることを確認
- 書き込むファームウェアをセット
- 「ERASE」を押して消去
- 「START」で書き込み
を行う。
M5Stackへの接続
ファームウェアを書き換えた後、M5Stackが写真のような表示になる。ここに記載されているSSIDに接続し、PCのブラウザから192.168.4.1にアクセスする。
ブラウザからアクセスすると、WiFiのセットアップ画面が表示される。普段使っているWiFiの接続情報を入力すると、これ以降はM5Stackが自動でWiFiに接続するようになる。
M5Stackの登録
M5StackのWiFi接続設定ができたので、
にアクセスして、M5Cloudのアカウント登録をしよう。ログイン後、デバイスマネジメントの画面から、「Add」を押してM5Stackを登録する。
コードの入力を求められるので、M5Stackに表示されたチェックコードを入力すれば、登録が完了する。
M5Cloudを使ってみる
M5Cloudに接続して、Hello Worldを出力してみよう。左側メニューのProjectを選択して「+」ボタンを押す。
Project nameを入力する欄があるので、適当なプロジェクト名を付けよう。ちなみに後で変更できない仕様になっている。言語はPythonとLuaから選ぶことができる。今回はPythonを選択する。
「Create」を押すと、エディタ画面になり、main.pyが開かれた状態となる。M5Stackの電源が入っている状態で、「Upload & Run」を押すとM5Stackにプログラムが転送され、実行される。PC上のローカルのファイルも追加できるので、ぜひ色々試してほしい。
最後に
以上でM5StackのM5Cloudにおけるセットアップが完了した。公式のリファレンスがこちらで公開されている。
またサンプルもいくつか公開されているので、ぜひ参考にしてプロトタイピングに活用してほしい。