技術書典生まれの即売会向けミニレジ「レジプラ」。技術書典4の開催を記念して、Kindle本「レジプラができるまで」の内容を無料公開。
即売会の会計をもっと便利に
レジプラは、同人誌即売会の会計を補助するために開発されたレジアプリです。売り子の経験がある方で、例えばこんな思いをしたことはないでしょうか。
「商品点数が多くて、合計金額を計算するのが毎回大変!」「間違って多くお金をもらってたらどうしよう!?」「売れた数を正の字でメモってたんだけど、手元のお金を集計した結果と数が合わない!」 ......などなど。
こんな悩みを解決するのが「レジプラ」です。
レジプラの特徴
レジプラは、ただのアプリではありません。写真を見ていただくと一目瞭然、スマホに「専用ハードウェア」を接続して利用するという、これまでにない UI(物理ボタン)を備えた、いわばレジシステムです。スマホ向けのレジアプリはいくつかあります が、実際に試してみたところ、画面が小さくて押しにくかったり、押し間違いがあったりと、 どうしても細かなミスが防げませんでした。
それに対し物理スイッチは、発明されてから 何世紀も経った現代においても、私たちの暮らしを支えて続けている「超優れた UI パーツ」 です。いくらタッチパネルが浸透しても、私たちは物理スイッチの利便性から逃れることはできないのです。
ボタン操作について
ここで実際に、レジプラのボタン操作がどのようなものか見てもらいたいと思います。
・商品カウントボタン(左 3 つ)
アプリ側で表示されている商品(事前にアプリに登録します)と一対一で対応しており、 それぞれの販売個数をカウントするのに使います。ボタンをポチポチ押すと、連動してアプリ側の表示が動きます。物理ボタンでスマホを操作するのは、思いのほか気持ちが良くて癖になります。
ちなみに、商品は1画面につき3つまでしか表示されませんが、スマホ画面をスワイプすることで、次の3商品に切り替えることが可能です。その場合、切り替えた後の3商品が、商品カウントボタンでカウントできるようになります。登録できる商品点数に上限はありません。
・エンターボタン(右手前)
商品カウント後に押すと、会計画面に移動します。そこでもう一度エンターボタンを押すと、会計が確定され、アプリ内で「売上」として記録が残ります。
・リセットボタン(右奥)
レジプラは、ボタンが5つあるだけのシンプルなハードウェアです
商品のカウントや会計をリセット(キャンセル)する場合などに使用します。
――と、たったこれだけです。こんな単純なハードで本当に便利なの!? と思うかもしれません。
しかし、「クリック感があり確実に入力できる」という点、さらには「会計の際に確定ボタンを正味2回押す」というアプリ仕様により、ヒューマンエラーを極限まで排除した、正確無比な会計操作が可能となります。ウソじゃありません。
レジとしての基本機能も充実
もちろん、売上記録はアプリ側で自動集計されます。どれが何点売れて、売上額がいくらなのかは、いつでも参照可能です。売り子をしているときの、「いまどれくらい売れてるのかなぁ」というモヤモヤからも解放され、晴れやかな気持ちでイベントを楽しむことができるでしょう。
さて、ここまではカタログスペック的なレジプラの紹介でした。以降は、どんな風にこのレジプラを開発したかについて、もう少し掘り下げて紹介したいと思います。