技術書典生まれの即売会向けミニレジ「レジプラ」。技術書典4の開催を記念して、Kindle本「レジプラができるまで」の内容を無料公開。
開発スケジュール
レジプラの原形を発案したのは、2015年8月のこと。その後、技術的な検討や、即売会での実地テストなどを経ながら、徐々に現在の形へと近づけて行きました。スケジュールは、ざっと以下の図に示すような感じです。おおまかに分けると、プロトタイプ期間が5ヶ月(2015年8月~12月)、本開発が6ヶ月(2016年1月~6月)です。
開発体制と資金繰り
開発は、実働2名+α(自分たちのスキル外の要素は外部メンバに依頼)で行いました。技術的な部分は主に私が担当し、デザイン、広報、その他諸々はもうひとりが担当しました。2人ともフルタイムで別の仕事があるうえ、レジプラ以外にも何か作ってる(例えば、2015年12月には「Web おみくじ」(2017年3月末でサービス終了)というウェブサービスをリリース)ため、慢性的なリソース不足に悩まされています。誰か助けて下さい。
資金調達は、現状行っていません。「定礎シール」などのグッズ売り上げを開発費の足しにするという、謎の自給自足体制を取っています。しかし、今のところ大赤字なので、レジプラが売れてくれないと途方に暮れてしまいます。みんな買って下さい。さて次章からは、この開発の詳細を時系列に振り返っていきたいと思います。
レジプラ誕生のきっかけ
レジプラの元となったアイデアは、2015年の夏コミの経験から生まれました。コミケには以前からサークル参加していたのですが、特にこの頃からは頒布する商品点数が増加。会計が非常に面倒くさいことになっていました。ちなみに下の写真が、そのときのブースの様子です。一体どういうサークルなのか気になった方 は、ぜひ「NEKOPLA」でググってみて下さい。このとき初めて「会計用にレジアプリを使ってみよう」という気持ちが芽生えたのでした。
良いレジアプリが意外とない
App Storeにあるアプリを一通りチェックし(そんなに数はない)、一番良さそうに思えたレジアプリで、いざ実戦投入。実際にコミケの現場で使ってみた感想としては......たしかに総額がすぐに分かるのは便利でした。しかし、気になる点も多くありました。一番は、やはりUIです。何度も繰り返し使うのがレジアプリですので、UIが自分に合わないのは結構なストレスとなります。そして、コミケ後に行ったファミレスでも自然とレジアプリの話になり、このとき初めて「即売会での利用に特化したレジアプリの必要性」がメンバ間で共有されたのでした。
ないなら自分たちで作ろう
当初は、物理ボタンを使う発想はなく、単なるスマホ用のレジアプリを考えていました。名前は「レジキャラット」の予定でしたが、さすがにいろいろとマズいので、あとになって 「レジ・プラットフォーム」、略して「レジプラ」と命名しました。その後、アプリの仕様を考えていく中で、ふと「物理ボタン」のアイディアが生まれ、目指すべき方向性がより明確になりました。
アプリを作れる人は山ほどいるけど、アプリとハードを両方つくれるアマチュアは多くありません。険しい道のりであることは承知のうえ、自分たちがやらなきゃ誰もやらないだろうという確信のもと、レジプラの検討を本格的に開始したのでした。