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ボタンひとつでパーツ測定! 多機能テスターLCR-TC1が面白い

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いろんな電子パーツの特性を、ボタンひとつで測定可能なテスターがある。用もないのについ触ってみたくなる、そんな多機能テスターの魅力を紹介したい。

 

〈投稿者: 斎藤公輔(NEKOPLA)@kawausokawauso

組込みエンジニア。エアコンの配管や室外機を愛でながら、ときにはデジタルガジェットを制作したり、ライターとしてデイリーポータルZなどに寄稿したりする生活を送る。

多機能テスターLCR-TC1とは

「LCR-TC1」という多機能テスターが面白い。テスターといえば電圧や電流の測定を思い浮かべるかと思うが、こいつは他とはちょっと違う。

 

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ソケットに電子パーツをセットして、

 

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スタートボタンをポチッと押す。

 

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すると、液晶に抵抗の回路記号(ギザギザじゃなくて、国際規格の四角いやつ)と、119.1Ωという抵抗値が表示された。実に単純明快、これにて概要説明は終了である。「抵抗値なんてカラーコード見れば分かるよ!」なんていう無粋なツッコミは、ひとまず心の中にしまっておこう。

 

もちろん測れるのは抵抗だけじゃない。コンデンサをセットしてみると、

 

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回路記号とともに、今度は静電容量が表示された。

 

パーツの種類は自動で認識され、知りたいスペック(抵抗なら抵抗値、コンデンサなら静電容量など)が自動で画面に表示される。パーツは基本的に差しやすい穴に差せばいいので、ほとんど何も考えずに使えてしまう。このラフさが楽しい。

 

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ちなみに1~3の数字が書かれているところが一般パーツ用。同じ数字のスロットは内部でつながっているようなので、パーツの両端が別の数字になるよう差す必要がある。左下の「K」「A」「A」の箇所だけが特殊で、ツェナーダイオード専用となっている。

 

あまりに全自動なので、もはやテスターで測るというよりも、「はたしてお前にこのパーツが見分けられるかな……?」と、テスターの能力を測っている気分になってくる。知的好奇心がくすぐられるテスターである。

どんなパーツが測定できるか

これならどうだと、トランジスタを差してみた。

 

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造作もないと言わんばかりに、一瞬でトランジスタが識別できてしまった。各種パラメータも測定されているが、これはコレクタ電流 Ic = 6.2mA としたときのパラメータ値なので、役に立つのか立たないのか微妙なラインである。

 

それよりも、液晶に出ている回路記号をよく見て欲しい。各端子に1~3の数字が振られているのが分かるだろう。実はこの番号が、ソケットに振られている数字と対応しているのだ。

 

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つまり、ソケット1がB(ベース)で、2がC(コレクタ)、3がE(エミッタ)ということを表している。ピン配置に自信がないときは、このテスターで測定すれば一目で分かってしまうのだ。

 

トランジスタの端子は「エクボ」という覚え方が一般的だけど、必ずしもそうとは限らない。不安なときは、とりあえずポチッと測定しておく。転ばぬ先のテスターである。

 

続いてLEDは……

 

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さすがにダイオードとして認識されてしまったが、注目すべきはその測定値。順方向電圧(Vf)が分かるのだ。LEDに電流制限用の抵抗をつけるとき、地味に調べるのが面倒くさい情報こと順方向電圧である。このかゆいところに手が届く感じが、なかなか良いではないか。

 

最後にインダクタ(マイクロインダクタ)。抵抗の2Pキャラみたいな見た目なので、抵抗と勘違いされやすいパーツだけど、

 

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ちゃんとインダクタと認識された。しかも測定値は0.10mHと出ており、カラーコード通りピッタリと言い当てている。すばらしい。

 

こんな風にいろいろと測定できてしまう、まさにその名の通りの「多機能テスター」なのである。手元にあるパーツを一個ずつ試しながら、「お、これも測定できるのか!」というのをやっているだけでも結構楽しめる。

 

とりあえず一通り堪能したあと、対応パーツについて説明書(商品には付属しておらず、ネットで検索すると英語の説明書がヒットする)を見て答え合わせをしてみた。順番が逆な気はするが、こういう楽しみ方も大いにアリである。

 

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そしてこれが答えだ。MOSFETやIGBT、サイリスタ、トライアックまで測定できるらしい。ちゃんと測れるかを見るためだけに、特に必要のないサイリスタが欲しくなってきた……。

誤差はどれくらい出るのか

測定誤差がどれだけ出るのか、説明書には書かれていない。厳密な精度を期待するような製品ではないものの、気になったので手持ちの抵抗を使って実測してみた。

 

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実測値は、それぞれの抵抗について3回測定して平均をとったものである。見ての通り、誤差は±2%以内。そもそも一般的な抵抗には許容差が±5%あるため、おおむね正確に測定できている思っていいだろう。

 

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たとえばこのセラミックコンデンサだと、パッと見て静電容量は分からないけれど、

 

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測定すれば104.9nFと出る。となると、「これは0.1μFのセラコンだな」と分かるわけで、多少の誤差があってもさほど問題はない。それよりも、約5秒で大体の値が判明してしまうところに、このテスターの価値はあるのだと思い知った。

IRデコード機能とは

最後にもうひとつ、このテスターは「IRデコード機能搭載」がうたわれている。ためしにリモコンの赤外線を当ててみると、

 

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赤外線を検知して、液晶右上に赤いが出た。でもこれって、「赤外線検知」であって「デコード」ではないよなあ……。疑問に思ってふたたび説明書を紐解いてみると、正確には「Hitachi IR Format」の赤外線をデコードできる機能だと判明。

 

となると、きっと日立のリモコンならデコードできるはず。残念ながらうちには日立製品がひとつもなかったため、学習リモコンを日立のテレビに設定して試してみた。すると、

 

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おー、デコードできたぞ。だからどうしたという感じだけど、見えないものが見えるって純粋に楽しい。

 

ついでに他のメーカーも試してみたところ、ビクターやパイオニアのリモコンもデコードが可能であった。ということは、それらのメーカーも「Hitachi IR Format」を使っているのか。そんな今後あまり役に立ちそうもない知識まで身についてしまった。

まとめ

いろんなパーツをボタンひとつで測定できるのは楽しい。もちろん普通に電子パーツ用テスターとしても役立つので、引き出しにひとつ入れておきたいアイテムである。