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ラズパイでデジカメを作ってみた


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その安さゆえ、つい何個も買ってしまうラズパイ(Raspberry Pi)。買ってもRaspbian入れただけで終わってないだろうか。そんなラズパイの活用方法として、ラズパイで作るデジタルカメラを提案したい。

 

ラズパイカメラ計画

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Raspberry Pi 3にラズパイ用液晶、カメラモジュールをつけてみたら、ちょうど良いサイズ感。眺めているうちに最早、デジカメにしか見えなくなり、気づいた時には製作に着手していた。これはたった一日弱でラズパイカメラを突貫製作した記録である。

 

 

ラズパイのカメラモジュールはかなり安価に購入できる。

www.waveshare.com

 

デジカメ開発(ソフト編)

突貫での製作のため、残念ながらソフトに費やす時間がない。ちょうど からあげさん @karaage0703 が良いコード(raspidigicam.py)を公開されていたので、こちらを活用する。GUIでメニューを操作するコードも公開されているが、今回はシャッターボタン一つのみのシンプルな構成とした。

 

karaage.hatenadiary.jp

hendigi.karaage.xyz

利用上の注意

からあげさんのコードを利用する上で、いくつか注意点がある。

wiringpi2をimportすると、怒られるので

import wiringpi

と変更する。

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 またGPIOの17ピンは液晶の接続で埋まっているため、16ピンに変更した。

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デジカメ開発(ハード編)

ソフトはすんなりと流用できたので、いよいよハード製作。外装の設計は本当に気を付けなければならない。ちゃんと寸法を測らないと入らなくなる。面倒臭がらずに採寸してモデリングしよう。出力して入らなければ、再設計・再出力に数時間ロストする。

部品をモデリング

幸いラズパイはMechanical DrawingsがPDFとDXFで公開されている。

www.raspberrypi.org

 

このDXFをもとにCAD上で3Dデータ化する。

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液晶はデータがなかったので、サイトの画像をトレースする。

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できたのがこちら。

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外装の検討

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部品とのクリアランスを確認しながら、設計していく。途中で印刷して実寸確認した方がいいだろう。Fusion360にはDXFを読み込むとデフォルトで「インチ」で読み込む罠がある。

 

今回は突貫だったため、

  • 採寸してパーツを作成
  • クリアランスを見ながら、周囲を囲むようにボディを作成
  • 分割ライン、ネジ穴を作成
  • その他のパーツを作成

という方法を取った。時間があれば、モデリングに入る前に2次元でのスタイリング検討をした方がいいだろう。

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3Dプリンターで出力

これらのデータをSTLで書き出して、FLASHFORGE ADVENTURER3で出力していく。

www.shumi-tech.online

 

縦に置いたら、出力に失敗して6時間ロストした。

組み立て

仮組みしてから、パーツ類をグルーガンで固定していく。グルーガンは瞬時に固定できて、ある程度保持力があるし、さらに失敗したら簡単に剥がせるので便利。海外のメイカーがみんな使ってるのもわかる。

 

 

ラズパイカメラ完成

モデリングに数時間、出力に数時間かけて、無事完成した。

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シャッターボタンは押し心地にこだわって日本製の高級なパーツを採用。電源はラズパイ3採用で消費電力が大きいため、外部供給とした。

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GPIOはケーブルをそのまま刺すと液晶に干渉するため、L字のパーツで90度曲げている。またUSB延長ケーブル部は、実物合わせでケーブルマウントパーツを急遽作成して固定している。

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まとめ

突貫にも関わらず、からあげさんのコードがあったお陰で、無事デジカメを形にすることができた。ラズパイや3Dプリンタがあれば、思い通りに自分の欲しいものを作ることが出来る。ぜひ読者の皆さんもオリジナルのマイデジカメを作って欲しい。

 

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最後に

自分でも作ってみたいという人用に特別に3Dデータを無料公開中。

製作には別途、Raspberry Pi 3、ラズパイ用液晶、カメラモジュール、USB延長ケーブル、ボタンなどが必要。改変は自由なので、ぜひ自分だけのオリジナルカメラを作って欲しい。

flipflop.booth.pm

 

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