趣味TECHオンライン | 趣味のモノづくりを応援するオンラインメディア

趣味のモノづくりを応援するオンラインメディア

平成最後だから大仏を掘った


f:id:tokyo_ff:20190606213313j:plain

「平成が終わるので大仏を建てよう」と、平成最後の5日間を使って大仏を削り出したおはなしです。

 

<Gym<P> @Gymnopedian

デジタルものづくりおじさん。セミナーとかもやる。Fusion360チョットデキル。

twitter.com

 

作成動機

大仏が旬と聞いて!(平成終了一週間前)。人生で大仏を彫ろうと思う瞬間は二度と来ない気がするので彫りました。

 

モデリング

f:id:tokyo_ff:20190606213707j:plain

Yahoo! Japanさんが大仏のスキャンデータをCCBYライセンス(クレジット表記すれば使っていいやつ)で公開されていた(https://www.thingiverse.com/YahooJAPAN/about)ので改変して使わせて頂き、他の部分はFusion360でモデリングします。

www.thingiverse.com

ナノブロック 鎌倉の大仏

ナノブロック 鎌倉の大仏

 

 

Fusion360はプレビュー機能としてメッシュの編集ができます。大仏のスキャンデータを材料の大きさに合うようにZ方向にスケールをかけています。また裏面は加工しないので半分から後ろをカットしています。立体感を残すために仕方なかったんです、罰あたりなんで言わないで下さい。

f:id:tokyo_ff:20190606213832j:plain

唐草模様などはスプラインで書いて押し出し、立体感を出すために上面のみTスプラインに変換して編集しています。宗派とか分からないので雰囲気でやっています。罰当たりとか言わないでください。

 

材料とかCNC

材料は材木店で調達しました。完成イメージに近い色と大きさの木材を選定し、3Dデータは木材に合わせて作ります。今回はカリンの木を使いました。本来の仏像の材料は違う気がしますが、今回は雰囲気重視なのできにしません、木だけに。フフっ。

さて切削ですが、大きいCNCが必要です。剛性が高くて加工範囲が広いものということで、国内ではAvalonTechのArtCNCが性能と価格的にベストマッチだったのでこちらを使います。

www.avalontech.jp

 

組み立てキット、部品が箱に詰まって送られてきます。メンテナンスのしやすさを謳っているだけあってほぼ六角棒レンチだけで組み立てができました。組み立てている途中でスタンドも発売されたのでついでにスタンドも買って自立するようにしました(写真はスタンド付ける前)。

f:id:tokyo_ff:20190606214146j:plain

 

材料とCNCが決まったのでFusion360に戻ってツールパス生成していきます。手元にあるエンドミルが限られているのでΦ6フラットで一気に深さ6mmつっこんで荒取り、Φ3フラットで荒取り(取り残し)、Φ3ボールで仕上げていきます。

f:id:tokyo_ff:20190606214225j:plain

Fusion 360 Masters

Fusion 360 Masters

 

 

切削

f:id:tokyo_ff:20190606214357j:plain

加工の際、材料をCNCのテーブルに直置きだとテーブルが傷付いてしまうので、材料とテーブルの間にいらない板を入れてあります。固定は両面テープとお手製クランプ。粉塵が多いと掃除が大変なので集塵機とお手製集塵ブラシも用意しました。

 

が、お手製集塵ブラシは途中で巻き込み事故を起こしてお無くなりになったので結局切り屑だらけになりました。南無。

f:id:tokyo_ff:20190606214449j:plain

 

途中でブレーカーが落ちて止まったりしましたが、無事完成。加工時間は15時間程度、費用は設備と材料を0から揃えて25万円程度でした。

f:id:tokyo_ff:20190606214537j:plain

 

所感

大仏は公開されているデータ、CNCはオープンソースハード、ファームウェアもオープンソースと、ものづくりの民主化を感じますね。CNCは組み立てキットなので組み立て精度次第ではどうなるかと思いましたが案外なんとかなりました。これで令和も安泰ですね。めでたしめでたし。

 

<Gym<P> @Gymnopedian

デジタルものづくりおじさん。セミナーとかもやる。Fusion360チョットデキル。

twitter.com